最新のコルベットはC8だが最上のFRコルベットはC7
GSは世界に誇れる生粋のコーナリングマシン
文/石山 英次写真/古閑 章郎
2014年から2019年まで存在したC7には、大きく分けて755hpのZR1(V8スーパーチャージャー)、650psのZ06(V8スーパーチャージャー)、460hpのグランスポーツ(V8NA)、460hpのノーマルクーペ(V8NA)の4つのラインナップがあった。
その中で650hpのZ06のワイドボディや足回りを使用しながら、エンジンはV8NAの460hpというのが、大雑把に言うところのグランスポーツ(以下GS)である。
すなわち、650hpに耐え得るようなワイドで強固な車体とサスペンション制御のもと、ノーマルV8NAエンジンを組み合わせているのだから、エンジンパワー差を差し引いた分の余裕が生まれているというのが最大のポイントである。
ノーマルV8NAとはいえ、460hpもあるのだから当然速いし、何よりサスペンションの踏ん張りや安定感が格段に高いから、かなり大胆に踏める。
ちなみに、GSの当時のメーカー公式発表のコーナリングGは1.2Gである。これは、ラインナップ中のどのコルベットよりも高いGであり、この横Gの高さは当時のポルシェやフェラーリよりも高かった。すなわち、アメ車の中でも異例のコーナリングマシンだったのだ。
しかも、元は650hpボディを支えていたということだから、当然、長く使用した時のヘタリの度合いもまったく異なるわけで、V8NAエンジンとコーナリングが存分に楽しめるコルベットとして、その評価がリアルスポーツカーというのは至極当然なのである。
なお、「もっと暴力的な速さのコルベットが欲しい」というならZ06、ZR1という選択肢も存在するから、このバリエーションの豊富さもC7 コルベットの魅力のひとつであった。
余談だが、Tトップを外した状態での走行もめちゃめちゃ気持ち良いから購入後には是非試してみることをオススメする。いわゆるタルガトップという状態になるが、これが想像以上に素晴らしい。
トップを外した状態でのシルエットも素敵だし、なにより外した状態でもボディがよれたりすることがなく(フレームボディだからこそ屋根がなくても弱まらない)、心地良い状態のままコルベットが堪能できるのだから、外さない手はないし、特に冬場から今時期が最高にオススメである。
鼻息荒く攻めるのも得意だが、たまにはちょっと緩めて走っても十分に楽しめるのがC7なのである。
ということで取材した個体は2017年型 ディーラー車ベースの中古車で走行2万7,000キロ。ボディカラーはアークティックホワイトでインテリアはキャメルカラーのカラハリインテリアの組み合わせ。
各部のチェックを行ってみたが、非常にコンディションの良い個体。シートやステアリング等のレザー部分にヤレ感はまったくなく、エンジンルームを開けてみても非常にキレイ。インシュレーターもかなりクリーンな状態だった。
もちろんケア済みという可能性はあるにせよ、レザーシートのヤレ感はシートを変えない限り決して戻らないから、この個体の状態はかなり良いだろうと想像出来る。
さらにTトップのルーフを外してみたが、ワンタッチで、しかも軽々脱着可能だった。
余談だが、ボディがよれていたりダメージがある車両はなかなか外れ難い場合があるから注意した方がいいのだが、この車両はもちろんまったくの問題なしだった。
くわえてハード走行していたような形跡も感じることなく、大きなヤレも感じないからこれから購入する方にはかなりの朗報と言えるだろう。
しかも販売しているのが、GMサービスセンターであるBUBU宇都宮である。C7 コルベットを知り尽くしているというのが何とも心強い。
BUBU宇都宮のメカニックである道地さん曰く「この車両はディーラー車で、定期的な点検を受けていた車両です。また下回りを見ても非常にコンディションの良さを感じさせる個体です。そしてフルノーマルです。
またGSは、Z06等のハードマシンほどパワーがあるクルマではありませんから、良い状態を長く楽しめるはずで、まずはしっかり点検してオイル漏れやオイル滲みがあるか否かをチェックし、定期的に油脂類の交換をしていけばさほど恐るクルマではありませんし、特に今回の個体のように状態の良さを思わせる個体ならなおのこと長く楽しめると思います」