BUBU × AMESHA WORLD
“BUBU×アメ車ワールド” 2013年モデル フォード マスタング V8 GT

あえて旧型を選ぶ「この型」ならではの魅力

“BUBU×アメ車ワールド” 2013年モデル フォード マスタング V8 GT

当時40台限定のD車MTパフォーマンスパッケージ

文/石山 英次写真/古閑 章郎

貴方にとっての「最高」を求める中古車探し

私事で恐縮だが、50歳を越えると飛びぬけたパフォーマンスという言葉にあまり興味がなくなった。正確に言うと、700馬力という数字には興奮するし驚きもするが、自分で所有したいとはあまり思わなくなった。別に200馬力だっていいと思っている。

くわえてサーキットでのタイムが速いか遅いかとか、そう言ったものにもまったく興味がなくなった。どちらかというと、パワーだトルクだホイールスピンだというよりは、そのクルマ自体の素のカッコ良さやデザイン的な魅力のほうに今は興味がある。

手に入れることによってどれだけ自分の生活が華やかになるか。そして己に浸れるか。身の丈にあったクルマにプラスα的要素がちょっとあれば、十分じゃないかと。

だからこそ手に入れるなら、「洒落っ気タップリなアメ車がいい」とずっと思ってきたし、パッと見の迫力やデザイン的な押し出しの強さ、そしてそれに乗っている自分の姿を想像した時に、「人がどう思うだろう?」。そんなことをイメージしながら愛車を決めたいと思っている。

車両イメージ2013年に限定モデルとして発売されたマスタング V8 GTパフォーマンスパッケージ。その中古車。特徴は、何と言ってもボディカラーに尽きるだろう。発色の良いグリーンカラーは抜群にカッコ良く、街中ではスーパーカーさながらの目立ち具合。
車両イメージ街中をゆっくり走っていても浸れるクルマは珍しいが、このマスタングはノーマルのままMTを駆使して走っているだけでも自分に酔える。こんなクルマと長く生活したい!

というわけで、みんなが乗っているクルマというよりは、「自分だけが魅力を知っているんだぜ」と浸れるようなちょっと古めのアメ車がいいし、ボディも、どうせ乗るなら周りとかぶらないカラーリングが好み。

そういう意味では新車中古車にこだわりはないし、今買える範囲の金額で、自分だけが魅力を知っている、さらには他人に見せたときに「凄いね~」と感心され、なおかつトラブルフリーに近い存在であれば越したことはない。

で、そんな候補車を探している時に見つけたマスタング。このボディカラーだからこそのチョイスである。

このマスタング、2013年に40台限定で発売されたV8 GT パフォーマンスパッケージというディーラー車で、当時のフォードジャパンが頑張って輸入したコダワリのマスタング。グリーンメタリックのカラーがそのコダワリの一部。しかもMTモデルという当時、超珍しい存在だった。

くわえてレカロシートが装備され、ギア比も変更されているということで、走り好きかつマスタング好きにとっては当時垂涎の車両だったに違いない。

車両イメージ搭載されるエンジンは、5リッターV8DOHC 32バルブ。426ps、最大トルク53.9kg-mを発生させるため、ノーマルでも十分に楽しい。しかも2000回転あたりから始まる重低音が4000回転を越えて一層濃密になり、一人で流しているだけでも気持ちいい浸れるエンジン。
車両イメージエンジンルームにはタワーバーが奢られる。この型ほど、タワーバーの効果が体感できるモデルはない。
車両イメージ2013年当時40台限定で発売されたディーラー車。

2013年型と言えば2世代目のマスタングで、フロントマスクをはじめとするエクステリアデザインが変更され、V8エンジンのパワーも426psに向上する等、いわゆる最終型としての完成度を高めたモデル。

しかもD車のMTモデルかつ超レアなグリーンメタリックのボディカラーということもあり、発売当時は即売だった。

そんなマニアックな限定モデルが今、ここにある。走行約5.7万キロの中古車として。筆者はその個体がデビューした当時に広報車を、そしてその後1万キロにも満たないディーラー認定中古車に試乗した経験があるが、この個体もその当時を思い起こさせるのに十分なほどクリーンな個体だった。

内外装を色々眺め、まず、極めてシンプルなインテリアに改めて驚く。時代を感じる部分である。だがメーター周りは現代のマスタングよりも断然いい。往年のマスタングを感じさせる雰囲気が充満している。

クラッチは現代の個体よりも明確に重い。そしてギアを1速へ。シフトノブの握りが太く、そこにも時代を感じる。

シフトは、旧アメ車のような大味なものではなく、ゲートが明確でストロークの短いカチッとしたもの。小気味良く決まるシフト操作が可能であり、一回り以上小さいスポーツカーのような感じを与えてくれる。

車両イメージ装着されるタイヤは前255/40ZR19、後255/40ZR19インチ。ホイールは専用品で、ブレーキはキャリパー&ローター共にブレンボが装備される。
車両イメージ初代マスタングをベースに製作されているインテリア。シンプルだが、各部の製造クオリティは上がっている。中古車としてのコンディションも想像以上。
車両イメージ6MTのシフトは、ゲートが明確でストロークの短いカチッとしたもの。小気味良く決まるシフト操作が可能。なお、最終減速比はATの3.15に対し、MT仕様は3.73とギア比が低くなっているから加速重視のMTが楽しめる。
車両イメージデジタルメーターが広まる前の時代のアナログメーター。デザインは旧時代のマスタングベース。

クラッチは重いが繋ぎに固有のクセはなく、かつ十分な低速トルクと相まって、誰でもいとも簡単にスタートで可能である。そしてエンジンサウンドに痺れる。

「ドゥルルルルル…」」と快音を響かせ魅力的なアメリカンV8の咆哮が響き渡る。このサウンド、信じられないくらい気持ちいい。

大げさではなく、ちょっと昔の味わいと現代的な大パワーが見事に融合されていて、感涙必至といっても過言ではない。しかもそいつをMTで操る贅沢な行為。これだけでも悦に浸れる最大のポイント(人と速さを争わずとも)である。

ちなみに、聞けば「この個体、乗り心地が素晴らしく、サスペンション、タイヤ、ブレーキ…、そういったシャシー全体の洗練度がきわめて高いという。だから、街中をゆっくり走っても、もしくは爆音に浸った走りでも、常にパワーとシャシーのバランスが良い」とのこと。

その当時、マスタングには600psを越える上級モデル・シェルビー GT500が存在していたからこそ、通常マスタングGTもかなり洗練されていたに違いない。

ちなみにこのカラーは街中ではよく目立つし、ちょっとしたスーパーカー気分も味わえるという!

車両イメージクラッチは、想像したよりも若干重く感じるが、操作性は悪くなく、MTが運転できるドライバーなら100%誰でも運転できる。またペダル配置も適切であり、ヒール&トゥがやりやすい等、アメ車のMTとしては絶品と言っても過言ではない。
車両イメージエアコンやオーディオは使いたい放題だし、何かに我慢する事がほとんどない。だが、エンジンはまるで旧車V8のような密度の高い息吹を発し、ドライバーを満足させる。官能的という言葉があるが、この型のマスタング V8は見事に当てはまる。
車両イメージ中古車ともなれば、こう言った細部にその影響が見受けられる個体が多い。が、この個体はそう言った細部においても中古車としてのヤレがあまり見受けられない。

ということで、改めて取材個体はBUBU宇都宮が販売する走行約5.7万キロの中古車。工場に入れ、細部に渡り確認したが、「非常に素晴らしい」「よくもまあ、この状態のままで生き残っていたな」と感動すら覚えてしまうような個体だった。

まず、完全なるフルノーマル車であったこと。インテリアにおける瑕疵がほとんどないこと。もちろん、5.7万キロを走行した分に応じたヤレは確認できるが、それらも想像以上に少ない。

レザーのレカロシートが奢られているが、その座面のヤレもかなり少ないから、仮に「3万キロ走行と言われても、はいそうですか」と思えてしまうほど各部の状態はいい。

そして全体的に言えることは、荒々しく使われた形跡が皆無であること。V8+MT車ともなればそれなりに飛ばせるだろうし、走り込むことも可能。だが、この個体にはそうした走り疲れみたいな部分が本当にない。

「全体を見渡せば、ほんのわずかな飛び石痕とか、5.7万キロ走行の痕跡は見られるかもしれません。ですが、さすがはディーラー車と言える部分も多く、乗りっぱなしで距離を刻んだ中古車ではなく、適宜整備を受けていた実態がちゃんと感じられる個体です」とBUBU宇都宮メカニック。筆者も驚いてしまうほどの個体であった。

車両イメージこのパフォーマンスパッケージにはレカロシートが標準装備されている。日本人の体型にもアジャストするシートであり、ホールド性良好かつリアサスの動きがシートを通じてドライバーに伝わってくるような感覚すらもたらしてくれる。
車両イメージBUBU宇都宮には、元フォードディーラーのメカニックも在職しており、フォード車に関しての造詣が深い。そう言った方々をして「非常に程度がいい」と言わしめる。
車両イメージ個体が入荷すると内外装チェックと簡単な試乗を行い、程度を把握する。そして売却前には徹底した納車前整備が行われる。この個体は、「かなり大切に扱われてきた個体です」とメカニックは語る。

こういうクルマを、まだ楽しめる余地が十分残されている時に入手して、その後長い年月をかけて生活を共にする。

無理にチューニングしなくても400psを越える十分なパワーが手に入り、悦に浸れる市販車最高のV8咆哮も手に入る。そして誰もが驚くメタリックグリーンのナイスなボディカラー。

決して奇をてらったものではなく、この型のマスタングに抜群に似合っているカラーである。くわえて良質なV8エンジンが絶滅危惧種となっている時代に残されたV8+MT車という奇跡の組み合わせ。

そんなマスタングに乗り街中をゆっくり走ってもいいし、休日に朝から長距離ドライブに出かけてもいい。そして毎日乗ってもいいし、週末だけの楽しみにしてもいい。その際は常にV8サウンドに浸れるわけだから、まさに趣味性と実益をかねた最高の選択肢の一台と言っていいだろう。

車両イメージ
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