V6ツインターボと軽量化がもたらす異次元の走り
BCDにて取り扱う程度良好車を発見
文/石川 英次写真/古閑章郎
2010年に登場した初代F150ラプターの驚愕の走りを体験した者であれば、ラプター自体がどれだけの物か、ということは理解しているはずだ。
初代はV8エンジンを搭載し、まるで90年代のスカイラインGTRのようにレースで勝つためのマシンとして開発された。そしてその走りは、フルサイズの大きく重たいボディをまるでミッドサイズSUVのような軽快感を伴わせつつ走らせ、そして速い。
個人的にも何度か体験したが、日本の道路片道分のサイズ感ながらほとんどロールせずコーナリングし、それはある程度の速度感になっても変わらずで、とにかく驚きの走りだった。知人の編集者が、「大型バスがロールせずに首都高を飛ばしている感じ」と昔語っていたが、本当にそんな感じがするほど異質な走りであったのだ。
そしてそれから7年後、二代目にフルモデルチェンジし、さらなる進化をもたらした。とはいえ、初代のV8エンジンがV6ツインターボに変わり、それをもって初代を推す方々が二代目デビュー当初は多数いたのを思い出す。
だが、その二代目は、V8エンジン消滅となったにもかかわらず、それ以外の部分での進化が凄まじく、同じ状況を走らせれば圧倒的に速い。
ちなみに、二代目のV6ツインターボエンジンは、フォードGTと同系列のエンジンであり、初代の411hpを上回る450hpを発生させる。さらに、車体は初代比約230kgの軽量化を行っているから、マシンとしての総合性能として二代目は初代を圧倒する。
くわえて組み合わされるミッションが、当時新開発の10速AT。さらにオンデマンド式の4WD制御にアップグレードされたFOXレーシング製ショック等が、それまで以上のオン&オフ性能を発揮させたのである。
2017年の二代目デビュー以降、日本にも複数台の個体が入荷しているのを知っているが、2020年前後から始まったコロナ禍により、年々直輸入される個体数は減り今に至るわけだが、実はすでに三代目がデビューしており、そろそろ日本にも数台上陸するという状況である。
そんな中でBCDが二代目モデルを直輸入させている。BCDは昨年からビッグトラックを直輸入しようと本国で車両の見極めを行っているが、ピックアップはスポーティカーほど良質な個体が少なく困難を極めるという。
というのも、ピックアップトラックは本国ではファーストカーとして使用されることが多く、そうなれば距離を走り、多少の傷がつき、ヤレが目立つものが多くなる=日本人的思考に収まらない範疇の個体が多く、BCD基準に合わないものが多いのだ。
ちなみに、二代目のV6ツインターボエンジンは、フォードGTと同系列のエンジンであり、初代の411hpを上回る450hpを発生させる。さらに、車体は初代比約230kgの軽量化を行っているから、マシンとしての総合性能として二代目は初代を圧倒する。
くわえて組み合わされるミッションが、当時新開発の10速AT。さらにオンデマンド式の4WD制御にアップグレードされたFOXレーシング製ショック等が、それまで以上のオン&オフ性能を発揮させたのである。
2017年の二代目デビュー以降、日本にも複数台の個体が入荷しているのを知っているが、2020年前後から始まったコロナ禍により、年々直輸入される個体数は減り今に至るわけだが、実はすでに三代目がデビューしており、そろそろ日本にも数台上陸するという状況である。
そんな中でBCDが二代目モデルを直輸入させている。BCDは昨年からビッグトラックを直輸入しようと本国で車両の見極めを行っているが、ピックアップはスポーティカーほど良質な個体が少なく困難を極めるという。
というのも、ピックアップトラックは本国ではファーストカーとして使用されることが多く、そうなれば距離を走り、多少の傷がつき、ヤレが目立つものが多くなる=日本人的思考に収まらない範疇の個体が多く、BCD基準に合わないものが多いのだ。
だから「スポーティカーを仕入れるよりも10倍程度の労力がかかる」ということであり、そんな中でのF150 ラプターである。ちなみに、本国にて試乗し、内外装チェックを行い、さらにBCDの現地支社にて下回り等を含めた最終全チェックが行われた後に日本に向け船積みされている。
「特にラプターはそれなりのマシンという一面もありますから、普段使い以外での激しい使われ方が行われていればその形跡が車体の各部に出てきます。今回の個体はそうした荒々しく使われた形跡はほとんどありませんので状態は良いです」とBCD鈴木氏。
筆者も実車を見て思ったが、さすがBCDと言わんばかりの個体であり、ヤレをほとんど感じさせないクリーンな個体であったの間違いない。
「ただ、コロナ禍の影響もあり、軒並み現地の車両価格は上がっていますし、新車に関するプレミア価格も異常なくらいです。特に人気モデルやレアモデル、走りの上位グレードや限定モデルといった付加価値のつきそうな個体は軒並み価格上昇しており、くわえて為替の変動もかなり影響しています。当然ラプターもその流れに乗じて高価になってしまっているのが残念なところです」
確かにここ数年のアメ車全般の値上がりはちょっと異常なほどと言っていい。ここしばらくは本国でも落ち着きを見せているというが、それでも人気モデルたちのプライスは高値安定を見せており、今現在は特に為替の影響が大きく、我々ユーザーを悩ませる。
だが、それでも欲しいと思わせるのか、このラプターにも複数の反響がすでに入っているということだからさすがである。
というか、今現在、日本ではビッグトラック系の人気が高まってきており、その中心がラムであり、タンドラであり、ラプターである。だから、ラムではTRX、ララミー等を見かけることが多くなり、タンドラは新旧モデルともに人気であり、ラプターはまさに今回のような二代目モデルの買い付けや販売が圧倒的に増えているのである。
ちなみに日本国内で流通しているラプターに関して言えば、走行距離が5万キロを超えたものが多く、もしくは改造されている個体が多く、そう言った個体を許容するのであれば別だが、そうじゃなければBCD車両のようなクリーンな個体がお勧めである。
さて実車である。2019年型で走行が約2万2000キロの個体。室内の雰囲気、実際のヤレ等を確認するも、まったく不安を感じることがない。しかも、各種安全装備から360度カメラに至るまでフル装備であり、ボディカラーはマグネティック(薄いガンメタ)でインテリアはブラックレザーシートと、日本人好みの仕様であることも嬉しい。
さらに、ボディは4ドアのスーパークルー。もちろんデカいが、ボディスタイル全体のバランスが取れているだけに、ちょっと間延びしたピックアップトラック的なダルさというものが全くない。さすがラプター。
で、撮影。それにしても本当にデカい(笑)が、圧倒的にカッコイイ。専用のフロントグリルをはじめ、アグレッシブなデザインはラプターの特徴であるが、こんな巨体が後ろから迫ってきたら! ものスゴイ迫力だろうし、圧力だろう。
個人的に昔から思っていたが、ラプターはヨーロッパ系のスーパーカーよりも目立つのではないか! まさしくアメ車流のスーパートラックといっても過言ではないだろう。
くわえてBCD車両であれば、購入時に50プランを利用したり、購入後のアフターの心配もさほど必要ないから、そうしたスーパーな車両でも比較的安心して買えると言えるのである。