今回は56年前のヴィンテージカーの修理事例をご紹介いたします。まずはこのモデルのご紹介を少しさせて頂きます。
このGTOシリーズはポンティアック ル・マンのオプションパッケージとして1964年にデビューしました。とても58年前(2022年時点)とは思えないほどススタイリッシュで、現代の感覚でも十分に”カッコイイ”と感じるデザインが秀逸です。
1964年といえば昭和39年、東京オリンピックの開催年でもあります。さてご紹介する1966年モデルはフェイスリフトが施され、ヘッドライトが縦2連型となったハイパフォーマンス モデルです。国産車でも似た様な”顔”を持つモデルがありますので調べてみてくださいね。
さて、今回のご相談は下廻りからのオイル漏れ。かなりの量が漏れていることが確認できます。早速リフトアップして診断に取り掛かります。何やら下に見えているエキゾーストパイプにも何かがかかったような跡も見られます。
取り外して点検しましたが、パッキンが液体シーラーで加工されており、パッキンがない状態でした。
この部分からはエンジンオイルが漏れていたことが判明。
尚、取付面も綺麗な平面ではないのでハウジングをアッセンブリーで交換することにします。これを交換することでエンジンオイル漏れは解消です。
ブレーキドラム周りが汚れています。ドラムを取り外して確認したところ、どうやらデフオイルが漏れている様子でした。
ブレーキシューもオイルが被ってしまい湿っており、ホイールシリンダーも若干滲みが生じている模様
。オイル(デフオイル)が辺りに飛び散りショックアブソーバーのブッシュもオイル被りで劣化して取り付け部分がズレています。
ここまで飛散していると各部の交換が必要となります。
・デフサイドシール交換
・ホイールシリンダー交換
・ブレーキシュー交換
・ショックアブソーバー交換
上記作業を行いました。
シールの交換はデフカバーを開けてアスクルシャフトを抜き取る作業が生じます。
カバーボルトを取り外し、カバーを剥がし、デフオイルを抜き取ります。オイルはかなり汚れており、ピニオンギヤも汚い状態なのでクリーンアップ・オイルも新品に入れ替えます。
デフサイドシールを打ちかえてホイールシリンダー交換、ブレーキシューとショックアブソーバーの交換、ブレーキシステムのエア抜き作業を行いました。
最終点検でロードテストを行い作業終了となりました。
ご入庫から点検作業、部品発注までにお時間を頂戴しました。また、国内で入手が不可能であったパーツも半月ほどの時間を要したためお客様にもご迷惑をお掛けしました。
BUBU BCDでは50's から80'sまでのビンテージカーも取り扱っております。オールドカーが現代のクルマ異なる点は電子制御部分の少なさ。つまり機械的な知識や経験、技術力、そしてパーツの情報を収集する力と実際にパーツを正確に手配すること。つまり総合的な部分が試される機会でもあります。
多数の事例がございますので、ヴィンテージカーの不具合などもお気軽にご相談ください。
整備データ
[ 車 両 ] 1966年式 ポンティアック ル・マン GTO
[ 作業内容 ] オイル漏れ修理
[ 費 用 ] お問合せください