文/S.Hiramatsu
今回ご紹介するのは、「トミカ イベントモデル ロータス エスプリ」。エスプリは今でこそ「トミカプレミアム」としてラインナップされており、手頃に入手できますが、こちらのイベントモデルでは旧金型が使われています。実はこのトミカはボンネットからぴょこっと飛び出すライト「リトラクタブルライト」のギミックを備えた唯一のモデルとして、トミカの中でも特殊なモデルでした。そんなモデルが、2003年にイベントモデルとして登場。1979年のスポーツカーが時代を超えて愛されていることが垣間見えます。
実車の登場は、1972年のトリノ・モーターショーに遡ります。イタリアの巨匠デザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロが手がけたコンセプトカーが初公開されました。その後、1976年に初代「S1」として正式に発売。直線で構成されたシャープな「ウェッジシェイプ(くさび型)」が目をひくスタイリッシュな姿は未来感あふれるものであり、さらにFRP(繊維強化プラスチック)のボディが世界に衝撃を与えました。
さらにその後、映画「007」シリーズでの活躍でさらに名を馳せることとなります。77年公開の「007 私を愛したスパイ」では潜水艇に変形するメカとして登場。空気を切り裂くような独特のスタイリングは、海の中ではまた違った一面を披露し、一躍ムービースターになったのでした。
トミカでの初登場は1979年、当時はスーパーカーブーム真っ只中で多くの子供達が憧れの車に夢中になっていました。この頃使われていた格納式のライト「リトラクタブルヘッドライト」はスーパーカーのミニカーならではのギミックで、1/43程度の比較的大きなスケール感のおもちゃで頻繁に扱われていたようです。ドアやエンジンフードと比べて機構も複雑でパーツも小さい特殊なギミックですが、この「ロータス エスプリ」はトミカサイズでありながらこれを搭載。通常ラインナップで唯一のリトラクタブルライト搭載モデルとなりました。
そんなエスプリは2003年にイベントモデルとして登場。「トミカ博」などのイベントでのみ発売される限定トミカであり、特殊なカラーリングや現行ラインナップにはない車種が多く登場し、コレクターにはたまらない仕様が毎年登場しています。中でもリトラ搭載の希少性から、エスプリという存在はひときわ輝いて見えたことでしょう。
白いボディにグリーンのストライプがヨーロピアンな雰囲気。このイベントモデルの登場が2003年ということもあり、79年当時よりもモダンな解釈の入ったカラーリングになっています。筆記体でさりげなく入った「Tomica Event Model」のレターもワンポイントとして効いていますね。
リアの立体的な「LOTUS」ロゴやナンバープレートの文字は旧金型ならではの立体表現。テールライトには塗装が入り、79年の通常ラインナップ時よりも彩りが多くなっています。
楔形が特徴的なサイドビューはこの車の特徴。ガンディーニ氏らしい直線的なラインと潔い造形、ミッドシップの典型的なプロポーションが憧れを掻き立てます。
このトミカの最も注目すべきポイント、ライト開閉ギミック!丸くつぶらな瞳が出てきます。一つのユニットに2つのレンズが入っているのが特徴的。通常ラインナップ時にはなかったレンズのシルバー塗装により「顔」らしさが一気に強調されました。シャーシと一体整形のバンパーも質感の違いが出ていて車らしさを演出しています。
今回紹介したモデルは、79年に通常ラインナップで唯一のライト開閉ギミック搭載となったエスプリのイベントモデル仕様でした。もはやトミカの中で伝説的な存在とも言えるこのモデル、イベントにふさわしい特別感あふれるモデルでした。カラーリングもレトロでありながら現代的な要素もあり、今だからこそお部屋に置きたくなるようなテイストになっているように感じました。これをお読みになっていただいた皆さんにもぜひ手に取っていただきたい、そんな一台です。



タイヤが落ちてしまっているのはご愛嬌・・・中古入手時からこうでした

