輸入車への
乗り換え手引き

車検には大きく分けて法定費用と整備費用の部分がありますが、法定費用は国産車も輸入車も同じです。

国産車や輸入車で税金を区別することは一切ありませんので、輸入車の税金が高いということはありません。
課税の基準は重量（重量税）、排気量（自動車税）、環境性（環境性能割/旧取得税）の3点しかありません。税金と言っても重量税や自動車税、購入時にかかる取得税（現在は環境性能割）があります。現在は全体的に軽減され、車両の環境性能に併せて税額も異なるシステムです。ではなぜこのような先入観ができたのでしょうか。それを紐解くには、輸入車にまつわる経緯を考えてみる必要があります。

戦前に車を持つことは一般的ではなかった時代から、高度成長期を迎えると国産メーカーの自社開発が本格的に始まり、モータリゼーションが加速することになりました。輸入車もプラザ合意以前のドル固定相場では（1＄＝360円（当時））、日本の平均収入を考えても、非常に高額であり、一般庶民が手にすることは困難でした。

そんな時代を経て現在に至りますが、一部では輸入車＝「高い」「偉そう」などの固定概念が形成され未だに残っているのです。1989年まで自動車には物品税が課せられていただけではなく、30年ほど前までは2,000ccを超えると一気に高額となる自動車税もあり、国産車にこれを超える車両が僅かでした。 アメリカ車を中心に多くのヨーロッパ車は大きな排気量をもつ車両が大半で重い税負担があった点、さらに1985年のプラザ合意以前の為替相場も考えると、一般庶民には高値の華以外の何物でもなかったのです。

保険料が決まる基準は国産車と同じなので「国産車だから安い」「輸入車だから高い」ということはありません。

かつては「低燃費は日本車の代名詞」みたいに言われ、逆に外車・輸入車は「燃費が悪い」というのが定説でした。しかしその先入観は過去の話で、今は燃費性能に関してはCO2排出量の規制が強化されたことで欧州車勢が日本車に迫る勢いで伸びており、ダウンサイジングターボや小型ディーゼルエンジン、日本とは異なるハイブリットシステムやユニークなトランスミッションなどの技術革新で、国産車を凌駕するモデルも出てきています。