BUBUがお届けする連載企画 ナレッジ Showcase.24 西山弘一

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ナレッジ ! Vol24. 西山弘一

 

 BUBUがお届けする連載企画 "ナレッジ” | Showcase.24

ダッジチャージャー392 HEMI スキャットパック & 西山弘一」

  第24回目は元LUXG編集長の「西山弘一」さんにご登場いただきました。
 2018年11月15日  写真 内藤敬仁 / 構成 プロスタッフ
 
 

カスタムカー専門誌『LUXG』で東奔西走

 
 
“型破りな男”——それが私を指す世間の評価である。家族にも友人にも、いちもく置かれる存在だ。自由な発想、奔放な生きざま、奇想天外な雑誌作り。これらを総じて人が呼ぶ……ならいいのだが、何のことはない、古くは学生時代のコンパにはじまり、バブルに浮足立っていた独身の20代、結婚直後の30代、脂ののった40代はいうにおよばず、五十路真っ盛りのいまだって定時を過ぎれば酒場へと繰り出す、無類の呑ん兵衛気質に付いた呼び名だ。
 
そんな私が10年ほど前に編集長を務めていたのが、『LUXG』という自動車雑誌である。当時、一世を風靡した大口径ホイールを軸とするカスタムスタイルを提案するもので、有名人を表紙に起用することでも、ちょっとは知られた存在だった。まだまだ今ほど景気が悪くなかったから、カッコいいクルマがあると聞けば東へ西へ。日本国内はもちろん、アメリカにだって出かけた。

ダッジ ・チャージャーのアメリカらしいデビュー広告

そう、あれはロサンゼルスの空港からフリーウェイ405号線に乗り、南下していた時のことだった。トーランスという街にはトヨタやニッサン、ホンダなどの北米本社が立ち並ぶのだが、そのせいもあって、沿道には自動車メーカーの看板が多くなる。そのなかにダッジ・チャージャーの看板が目に飛び込んできたのは、ロングビーツに差し掛かったころだったろうか。なんとその看板は、新車の宣伝にもかかわらず、地上スレスレまで車高を落とし、大口径ホイールに超偏平タイヤを履かせたバリバリのカスタムカーを前面に押し出していたのだ。こうなるとメーカーが率先して「このクルマはカスタムして乗りましょう!」といっているようなものである。21世紀になろうともカスタム=改造=不良と解釈される日本とは隔世の感ではないか。まさに“型破りな広告”である。
 
その後、日本においてもクライスラー300C、ダッジ・マグナム/チャージャーの「LX三兄弟」がカスタムシーンの主役になったことは、当然のことだったのかもしれない。

乗ってよし、走ってよし、そして止まってもよし

いま、目の前にあるチャージャーは、大幅なフェイスリフトが施されて以降の2016年モデル。チャージャーという名前こそ同一だが、LUXG時代に数々のホイールを履きこなし、さまざまなカーショーでアワードを総ナメにしてきた当時の車両とは大きく性能も雰囲気も変わっていた。しかも、こちらは最高出力485馬力、最大トルク475lb-ftの392エンジンを搭載するR/Tスキャットパック。ビルシュタインハイパフォーマンスサスペンションやブレンボ製ブレーキなどが脇を固める、まさに現代版マッスルセダンともいうべきスペックだ。わずかな時間ながらステアリングを握らせてもらった印象も、目からうろこの乗り味。乗ってよし、走ってよし、そして止まってよしの上質なパフォーマンスを感じさせてくれた。
 
それにしても、これほどいいクルマとは思いもしなかった。
 
私たちが展開してきたLUXGは、常にラグジュアリー・カスタムの最高峰だけを追い続けていた。目を見張るクルマが表紙を飾り、きらめくホイールが誌面を賑わしてきた。今月よりも、来月はさらに凄いクルマを取材し、再来月にはもっと上を行くクルマを探そう、見せようと躍起になる日々。派手さのみを追求した誌面では、走る・曲がる・止まるというクルマ本来の性能を置き去りにしてきたのかもしれない。そもそもノーマルの良さを知ろうともしなかったような気さえする。

カスタムはノーマルの性能抜きには語れない

アメリカはカスタムを含めての自動車文化が成熟している。カスタムは危険です、許しませんではクルマの販売台数にまで影響をおよぼすことになる。だからクライスラーは新車の広告で堂々とカスタムを主張するし、その自由な発想とフトコロの深さが、世界最大のカスタム天国を支えているといってもいい。
 
しかし、「それもこれもノーマルあっての展開ではないのか」、10数年ぶりにチャージャーを走らせながら、そんなことが頭をよぎった。というより、いまさらながらに当たり前の事実を正面から突き付けられ、慌てているだけのことなのかもしれない。そもそもノーマルというベースがしっかりしているからこそインチアップを楽しむことができるのではないか。いや、ちょっと違うか。基本性能に優れていなければ、ノーマルという想定値を超え、クルマに負担のかかるようなカスタムに耐えられるはずなどないのだ。
 

高性能セダンはコスパが高く家族の了解も得やすい?

 ダッジ・チャージャーR/Tスキャットパックは、軽くアクセルを踏み込むだけで、NAらしくいい音を発して走り出す。ステアリングを切れば瞬時に反応するフィールングも格別だし、ブレンボもいい仕事をしている。完全ノーマルの車両ながら、与えられらた性能と充実した装備を考えれば、578万円という価格は、むしろお買い得といっていい。それに4ドアという成り立ちだって家族の了解も得やすいポイントだ。さっそく今夜の家族会議の議題に上げてみよう。きっとみんな賛成してくれることだろう。
 
いや、ちょっと待ってほしい。元LUXG編集長という立場上、せめて2サイズアップの22インチくらいは履かなければなるまい。いま装着されている純正オプションのフォージド(鍛造)20インチも捨てがたいが、アフターマーケットにラインナップされている数多くのモデルのなかからどのブランドを選ぶのか? そしてどのホイールを指名するのか? 
 
そうだ。編集部の近くにあるいつもの居酒屋に席を移し、ひとりダッジ・チャージャーに思いを巡らせながら、ちびりちびりと熱燗を飲ろう。なにせ私は、“型破りな男”の異名をとる編集長なのだ。
 
 
 
【プロフィール】
 
西山弘一(にしやま・こういち)
雑誌編集者。57歳。

大学生時代に初めての愛車(三菱ミラージュ1600GT)を購入して以降、中古車一本のカーライフを過ごしてきたアラカン。
2000年以降は基本的に2年に1台という驚異のハイペースでキャリアを積み、これまで所有した愛車は40台を超える。
またカスタム&ドレスアップを好み、好きが高じて『LUXG』というアメリカン・カスタム専門誌の編集長の経験も。
現在はレーシングなスタイルに興味をもち、C5コルベットをベースにした「オートクロス参戦マシン」的カスタムを妄想中。


公式Facebook
https://www.facebook.com/koichi.nishiyama.10
 

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