シボレーカマロ SS 1LE

CHEVROLET CAMARO SS 1LE
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あえて世の流れと逆行するMTモデル

シボレーカマロ SS 1LE (CHEVROLET CAMARO SS)

AMG C63と同等の性能が決め手

 

たとえばアメ車を買う場合、新車、中古車、ディーラー車、並行車といろいろとあるわけだが、普通に考えて日本に正規輸入されているモデルを買うならば、そのままディーラーに行き購入するのが一般的であろう。だが、ディーラーでは手に入らないレアモデルという観点では、BCDのようなスペシャルショップを探す必要が絶対にあるのである。今回はカマロ1LEを取材した。

 
2016年12月5日 文/吉田昌宏  写真/古閑章郎
 
 

コンディション良好な本国モデル

 
 
BCDのような独自基準でカリフォルニアから自社輸入しているアメ車販売店を活用する場合の最大のメリットとは、日本の正規モデルとして入手不可能なモデルやグレードが手に入るということである。
 
たとえば旧マスタングのBOSS302や旧シェルビーGT500、またGM系でいえばカマロZL1や1LEといったスペシャルモデルたち。GM系の話に限っていえば、BUBUのBCD系列には、GM系ディーラーがあるだけにカマロの正規輸入モデルとしてのサービスポイントを抑えているというメリットがあり、BCDで扱う上記のような本国モデルに対するアフターサービスもかなり充実しているのである。
 
しかも、BCD横浜に赴けばわかるが、横浜ショールーム内と野外展示車両には常時20台以上の現代版マッスルカーやビンテージカーが在庫されており、コンディションの良さはもとより、新車系に関して言えばまるで正規モデルのようなアフタサービスや保証体制をもって、日本全国のユーザーに支持されているのである。
 
そうしたメリットを最大限生かしたコンディション良好のシボレーカマロ1LEにみたび乗せてもらったのである。
 
一度目は5代目初期モデル、2013年型。そしてフロントマスクとリアテールがマイチェンした2014年型。そして今回がその2015年の5代目最終型。1万5000キロ弱走行で、室内もほとんど使用感のないグッドコンディションモデル。
 
1LEのポイントとしては、まずMTであること。そして当時最強モデルであったZL1系の足回り等が装着されていること。すなわち、エンジンは当時のノーマル6.2リッターV8そのままであるのだが、500hpを超えるZL1の足回りで下半身が強化され、ノーマルパワーを存分に回すことが可能なMTミッションで楽しめるというわけである。
 
今や世界中の95%の車両がATとなっているなか、あえてMTを積極的に発売しているアメリカ車は、なんだか常にマイペース? というか、世界の動向を気にしない独自基準があるのか? とにかく面白い国のクルマであることは間違いない(笑)。。
 
2010年にデビューした5代目カマロは、2014年モデルにおいてマイナーチェンジを施行する。エンジンパワー等の変化はなかったのだが、スタイリングが大きく変化した。基本的には全体的にシャープになった印象だが、フロントマスクはより攻撃的なマスクになり好感。1LEに関して言えば、2013年から発売されるから、マイナーチェンジ前のモデルにも存在する。
一転リアの造形は意外にもあっさり系。人によっては賛否両論ありと聞くが、実車を見た限りでは(見慣れてきた)「新旧どちらのデザインもアリだな」というのが個人的な感想である。
走りはとにかく気持ちいい。
 
 

あのAMG C63と同等の速さ

   
ちなみに、あのポルシェ911やフェラーリですらすでにMTは発売されていないにもかかわらず(ポルシェは限定スペシャルモデルに関してはMTを販売しているが)、2016年度の新車においては、バイパー、コルベット、マスタング、チャレンジャー、カマロetcとほとんどすべてのスポーツカー&マッスルカーにMTモデルが発売されているのである(欧州車かぶれの自動車評論家さんたちが言うほどアメ車の走りは劣っていないし)。

しかも426hpを発生させる6.2リッターV8NAエンジン搭載である。ヘルキャットの707hpやシェルビーGT500の662hpといったモンスターマシンのパワー数字が頭の中をよぎっているからか、感覚が少しおかしくなっているしまっているのかもしれないが、実際には426hpと言ったらかなりのものである。

まったくの余談だが、現行のメルセデスAMG C63には、ダウンサイジングされた4リッターV8ツインターボエンジンが搭載されている。パワーは476hpとカマロを超える数値だが、AMGは7速ATで車重1790kg。

一方カマロ1LEは、6.2リッターV8NAエンジンで426hp。6速MTで車重は1780kgという。いわゆるメーカー公表の0-100km/h加速は両車共に4.1秒ということだから、いずれもかなりのスピードである。
 
 
街中レベルからカッ飛ばす領域までの、日常的に使用しうる範囲でのリアルスポーツ度が確実に濃くなっているのだから嬉しい。
 
「1LE」パッケージは、基本足回りを中心とした走りの質と外装関係の雰囲気を高めることを主眼としているために、搭載されるエンジンはSSオリジナルに準じる。それでも426hp、最大トルク420lb-ftを発生させるから、十分に速い。
ボディカラーに対し、ブラックの各種パーツがもたらす硬派な雰囲気が走り屋的イメージを高める。
タイヤ&ホイールは、ブラックにペイントされたZL1サイズのモノを履く。ブレーキはブレンボのキャリパーが装備され、ホイールの隙間から見える深紅のカラーリングが、ボディカラーによくマッチしている。
 
 

絶滅危惧種となる大排気量V8NAエンジン

   
すなわち、カマロのスピードってAMG C63と同レベルということであるから、これだけでも十分胸張れるパワーとスピードだと思うわけである。しかもAMGは新車価格1200万弱。一方カマロはその半値にも満たない548万円である。

くわえて世界的に希少価値が高まっている大排気量のNAエンジンである。この先、ターボやスーパーチャージャーを駆使したダウンサイジングエンジンが必ずや主流になるであろう自動車世界において、6リッターを超える排気量のV8NAエンジンはこの先、アメ車以外では入手することが困難になるに違いないのである。

そういう意味でも、今のうちにコンディション良好な大排気量V8NAエンジンのモデルを手に入れて長い時間をかけて自らの手で熟成させるということは、欧州車の世界ではほぼ絶滅してしまった「6リッター超自然吸気エンジン」という究極の無駄=贅沢を味わえる行為となるわけである。

なお、シボレーカマロ1LEとは、2013年モデルから追加された「1LEパッケージ」装着車のことである。V8搭載のSSモデル、しかもMT車にしか装着できないハイパフォーマンスオプション。
 
【1LEパッケージ内容】

・ファイナル3.91クロスレシオ6速MT
・ZL1用燃料ポンプ
・フロント27/リア28ミリスタビライザー
・ストラットタワーバー
・ZL1同様サイズの285/35ZR20インチタイヤ&ホイール
・ZL1用ホイールベアリング
・フロントスプリッター
・リアスポイラー
・ZL1 10スポークホイール、ブラックペイント
・マットブラックボンネットルーフ
・ZL1用スエードステアリング&シフトノブ
・ZL1用デュアルモードエキゾースト

etc
 
インテリアは、ノーマルカマロと同じものとなるが、ステアリングとシフトノブが、ZL1同様にスエード張りのモノに変更されている。質感、触り心地がかなりいいし、スポーティだ。
シフトはゲートが明確で、ストロークも明らかに短く、正確なシフト操作が可能。非常に操作しやすいだけに、積極的に選んでも損はしない。
クラッチも、大パワーのわりに一般的な重さ。クラッチのクセもほとんどないから、MTドライブが可能な方なら誰でもドライブ可能。ペダルレイアウトもごく一般的。ヒール&トゥも慣れればできる。
 
 

まるでスーパーカーのような輝きを放つ

   
 2016年にモデルチェンジを果たした新型カマロにおいても2017年から再び1LEが登場している。しかも5thカマロ時代はV8搭載モデル専用パッケージだったが、2017年からはV6モデルでも装備可能となっている(それほど魅力的モデルということ)。
 
その2015年モデルの1LE。実際に走れば、豪快さを伴ったアメリカンV8の快音が響き渡る。このサウンド、大げさではなくちょっと昔の味を感じさせるフィールと現代的な大パワーが見事に融合されていて、かなり気持ちいい。

しかもイエローのボディカラーは普通に街中を走っていても目立つ。まるでスーパーカーにでも乗っているような気分も味わえるし、イエローとブラックのコーディネートがちょっとやる気に満ちた感じで「走り系」を意識させるのも素晴らしい。これなら中年オヤジもカッコよく見えるだろう。

ちなみにボディカラーがブラックだと、全部がブラックになっちゃうから、お気をつけ下さい。アメドラ「ハワイFIVE-0」に出てくるマシンと同じなって、それもシブいけど。
 
 
引き締まったアシと濃密なV8サウンドをMTで操ることで得られる楽しさは格別。アシは固い部類に入るだろうが、しなやかさが伴うので不快感はない。なお、中年オヤジにとっては、自らの魅力を20%くらい上乗せして高めてくれるはずだ。
 
6000回転弱まで豪快に回るV8エンジンをMTを駆使して操る感覚は、もはやアメ車でしか味わえない
計器類はオリジナルのカマロに準じるものだが、スポーツカーに計器類は気分を高めてくれる装備となる。
レカロのパフォーマンスシートが装備されているが、非常にホールド性が高く、スポーツドライビングの良き支えとなってくれる。非常に座り心地も良い。
 
   
 
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